爬虫類ペットを飼っている飼い主さんの頭を悩ませる餌問題。特に複数の爬虫類ペットを飼っていると餌代もバカになりません。とはいえ、「栄養価の高い餌をできるだけ安く」と思うのは自然なことです。そんな飼い主さんは是非、栄養価が高く繁殖が難しくないデュビアの繁殖にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
今回はデュビアの繁殖の準備から飼育方法、繁殖の注意点やよくある失敗例などをご紹介します。
デュビア繁殖のために準備するもの
デュビアをただ飼育するだけではなく、「どんどん増やして繁殖させたい!」と考えている場合は、それなりの準備が必要です。
デュビア(オス・メス)
まずはこれがなくては始まりません。オスとメスの比率は「2:8」程度がオススメです。デュビアは成体になるまで時間がかかるので、幼体ではなく成体を購入した方が良いです。
プラスチックケース(蓋つき)
デュビアはツルツルの壁を上ることができないので、プラスチックケースで飼育するのが最適です。飛ばないと言われているデュビアですが、万が一のことを考えると蓋つきの方が安心です。
紙製の卵パックなどのシェルター
デュビアには狭くて暗い所に密集する習性があるので、シェルターが必要です。
餌
デュビアは雑食ではありますが、草食傾向が強いです。野菜や果物を中心に、ラビットフード、ひよこやうずらなどの鳥の餌、昆虫ゼリー等、栄養バランスが整った餌を与えましょう。
水分に関しては、餌皿に水を入れてあげると小さいデュビアは溺れてしまう事があるので、湿らせたティッシュを餌皿に置くと溺れる心配がありません。また、昆虫ゼリーや野菜・果物からも水分補給ができます。
餌皿
デュビアに餌を与える際には、餌皿に餌を乗せて与える方が、餌の交換がラクにできます。
パネルヒーター
デュビアの飼育に適した温度は25℃~28℃です。特に冬場はパネルヒーターを使ってケージを温めてあげましょう。24時間室温を保たなければなりませんので電気代はかかってしまいます。
デュビアの繁殖スピード
デュビアは、コオロギやレッドローチなどの他の餌昆虫と比較すると成長スピードがゆっくりで、生まれてから成体になるまで、半年近くかかります。
デュビアのメスの寿命は約2年で、その間に6回程度出産をします。つまりメスは成虫になったら、3ヶ月に1度出産をするということです。一度に30匹前後のベビーを産むので、1匹のメスが生涯に産むベビーの数は200匹ほどになります。
また、デュビアは卵胎生の昆虫です。卵を産むのではなく、メスが胎内で孵化させてから幼体としてベビーを産むので、卵の管理をする必要はありません。
デュビア飼育方法と繁殖のコツ
デュビアは比較的丈夫で、飼育の手間があまりかからないので、初心者にもチャレンジしやすい餌昆虫です。下記に書くことを参考にして、繁殖にトライしてみてください。
餌やり
餌は毎日、1日で食べきれる量を与えます。腐敗や悪臭を防ぐために、前日に与えた餌の残りは全て回収してから、新しい餌を与えます。動物性たんぱく質を多く含む餌を与えると、糞の臭いが強くなるので注意しましょう。
温度、湿度
デュビアは湿気が苦手なので、ケージ内は乾燥気味になるよう調整します。温度については、多少寒くても生きられますが、繁殖を考えているのであれば、パネルヒーターなどを使って25℃~28℃にしてあげると活動的になり、繁殖活動も活発になります。
掃除
デュビアを飼育していると、床に糞や脱皮殻などが溜まっていきます。これらをずっと放置していると悪臭やダニの発生など、トラブルの原因となります。飼育しているデュビアを数にもよりますが、1週間に1回はケース内を掃除するのが理想です。
密度
デュビアは密集を好む習性があります。過密気味に飼育して、更にシェルターを作るなどして、密集できる場所を作る方が繁殖もうまくいきます。
デュビアの繁殖のよくある失敗例
飼育が簡単とはいえ、誰でも繁殖に成功するわけではありません。デュビア繁殖のよくある失敗例をいくつか挙げてみます。
高湿度
水分を多く含む餌をケージに入れっぱなしにしていたり、デュビアの糞や卵パックが湿っていたりすると、ケージ内の湿度は上がってしまいます。湿度はデュビアにとっては天敵とまではいかなくても環境的に適していません。水分不足を心配して霧吹きで水をかけたりする方がいるようですが、デュビアに関してはその必要はありません。
殺虫剤
こちらはうそのようですがやってしまいがちな失敗例です。まめに掃除をしていても他の虫が沸いてしまう場合があり、殺虫剤を使ってしまうケースがあるようです。デュビアは昆虫です。例えゴキブリ用ではない殺虫剤だとしても、デュビアの近くで使用しては絶対にいけません。
まとめ
デュビアは基本的には餌を毎日与えて、温度・湿度に気をつけて飼育していれば、勝手に繁殖していきます。他の餌昆虫と比較すると飼育しやすい昆虫なので、これから餌昆虫の繁殖を考えている飼い主さんは、デュビアを検討してみてはいかがでしょうか?